No.004 その他:

1. エジプト文明 Egypt (英語) ※ナイル川流域に成立した古代文明。
 …「主神プタの宿る場所」。
  cf. 古王国時代の都メンフィス Memphis の古代エジプト名ハト=カ=
   プタ Hat ka Ptah 「主神プタの宿る場所」を語源とするギリシア名の
   アイギュプトス Aegyptus に由来。ハト hat 「場所、国」がアイ ai 「土地」、
   カ ka がギュ gy 、プタ Ptah がプト pt になったアイギュプトにギリシア語の
   接尾語 os が付いた。
    なお主神プタは創造神で、ナイル河の泥から全ての者を創り出したされる。
    エジプトと同様にコプト Copt (古来エジプトに土着している人々、または
   キリストの単性説<イエスの神性と人性を融合したものと考える>エジプトと
   エチオピアのキリスト教信者)も、これが訛ったもの。
    また、英語の「ジプシー Gypsy 」(ロマ Roma が自称なので、現在の呼称は
   ロマやロマニー Romany)は、 Egyptian 「エジプト人」にちなんだもの。なぜなら、
   彼らがヨーロッパで、エジプトから来た人々と誤って考えられたから。
    ちなみに現在のエジプトは、アラビア語の正称でアル・ミスル Al Misr 「領土、
   首都」であり、これは首都のカイロをミスルと呼んだことによる。

2. 下エジプト王国 ※ナイル河のデルタ地帯に成立した王国。
 …「ナイル河下流域のエジプト王国」。
 
3. 上エジプト王国 ※ナイル河のデルタ地帯より上流域に成立した王国。
 …「ナイル河上流域のエジプト王国」。

4. パピルス papyrus  ※古代エジプトで記録用に使用されたもの。
  cf. 英語の「紙」 paper の語源だが、その原料や作り方から紙とは言えない。

5. ハム語族 Hamites  ※古代エジプト人に代表される西アジアの語族。
  cf. エジプト人の祖先とされる、ノアの息子の名前ハム Ham から。

6. メネス Menes (古代エジプト語) ※古代エジプトの統一者。初代国王。
 …「(王国を)確立した者」。
  cf. 古代エジプト語のメンやメニ「確立した者」に由来する、初代エジプト王としての
   架空の名前かもしれない。考古学上のナルメル王 Narmer と同一人物とされる。

7. カフラー KhafRa (古代エジプト語) ※ピラミッドで知られる古代エジプト王。
 …「ラー(「太陽」)のように出現する(日が昇る)」。
  cf. ラー Ra は太陽神なので「太陽」を意味し、ハヤブサ(日の出の時はスカラベ<フ
   ンコロガシ>、夜は雄牛)の姿で描かれる。他のファラオでは、メンカウラーやラメ
   ス2世の名前にも、このラーが含まれている。

8. メンカウラー Menkaura (古代エジプト語)
 ※ピラミッドで知られる古代エジプト王。
 …「ラー(「太陽」)の力は不変不滅」。
  cf. ラー Ra は太陽神なので「太陽」を意味し、ハヤブサ(日の出の時はスカラベ<フ
   ンコロガシ>、夜は雄牛)の姿で描かれる。他のファラオでは、カフラーやラメス2
  世の名前にも、このラーが含まれている。

9. ツタンカーメン Tutankhamen (古代エジプト語) 
 ※アメンホテプ4世(イクナートン)と王妃ネフェルティティの息子。
 …「アメン(「隠れた者、目に見えない者」)の生きた似姿」。
  cf. 改称前のツタンカーテンは、トゥトアンクアトン「アトンの生きた似姿」から。

10. アブシンベル神殿 ※ラメス2世造営の岩窟神殿遺跡。

 アブシンベル Abu Simbel (アラビア語)
 …「ヒヤシンスの父」。
  cf. アブ Abu は「父」。シンベル Simbel は「ヒヤシンス」で、ここでは花の名前でな
   く人名。
    ラメス2世によってB.C.13世紀に建設された岩窟神殿。

11. オベリスク Obelisk (英語)
 ※古代エジプトの記念碑。一つの巨大な石材で作る方尖塔。
 …「焼き串」。
  cf. ギリシア語のオベリスコス obeliskos 「焼き串」から。
   パリのコンコルド広場にあるオベリスクは、ルクソール神殿の一対のものの一つで、
  1819年にエジプト総督のムハンマド=アリーがフランス政府に贈ったもの。   

12. ルクソール Luxor (アラビア語) ※テーベ遺跡の上に建設された現在の都市。
 …「砦、キャンプ」。
  cf. アラビア語の El Uksur が訛ったもの。